みなさん、桜むつ子さんという女優さんをご存じでしょうか。
昭和の時代に活躍された名わき役として活躍された女優さんです。
晩年はおばあちゃん役などがほとんどでしたが、若い頃は演劇などで色気を持ち合わせた花形女優としても活躍されていました。
映画やドラマにも多く出演されています。
そして、近代文化の巨匠とも言われた、永井荷風からも愛された昭和の大女優といってもいいかもしれません。
そんな、桜むつ子さんを知っていただけるよう、まとめてみましたのでご覧ください。
桜むつ子とは
プロフィール

- 名前:桜むつ子(本名:佐藤文子)
- 生年月日:1921年2月15日
- 没年月日:2005年1月23日(享年83歳)
- 出生地:東京都文京区
- ジャンル:映画・演劇・テレビドラマ
桜むつ子の歴史
芸能活動の開始は1933年に松旭斎天勝の一座に入座し、松旭斎文子としてはじめる。
父親は幇間(ほうかん)という、宴席や酒席などで客の機嫌をとったり、芸者の手助け又、自分で芸を見せるという仕事をしていた。
その父につれられ花柳界に出入りをしていたこともあり、すぐに踊りの素質が開花される。
のちに浅草軽演劇の花形女優として魅了するようになります。
1950年に松竹に入社し、日本映画の代表的存在であった小津安二郎に認められ、庶民的ながらもどこか色気を纏った名脇役として多くの作品に出演する。

おもに、飲み屋さんの女主人の役が多かったようですね。
主な出演作品ですが、出演作がとても多くて脇役がおおいので画像を紹介できるものが数少なく抜粋して紹介いたしますと、
・「東京物語」
・「彼岸花」
・「お母さんのつうしんぼ」
・「春来る鬼」
・「シコふんじゃった。」
・「幻の光」
・「スウィングガールズ」
左奥のおばあちゃん役です。
晩年は「おばあちゃんキャラ」が多かったので素もそうなのかと思いがちですが、じつは女優として創ったもので、普段は年齢よりも若く見えるオシャレでハイカラな女性だったようです。
初対面で本人だと気づく人はほとんどいなかったとか。
巨匠「永井荷風」がぞっこん惚れ込んだ!

(永井荷風と桜むつ子)
巨匠「永井荷風」
明治12-昭和34(1879-1959)享年79歳
永井荷風は小説家、翻訳家など幅広い活躍されたかたで森鴎外、夏目漱石や小山内薫、二代目市川左團次など文化人演劇関係者たちと交友を深めています。
1952年には文化勲章受章されています。

性格的には大の女好きだったようですね。
桜むつ子が好きでたまらなかった
桜むつ子が浅草軽演劇の花形女優として活躍しているとき、永井荷風の作品「春情鳩の街」に出演した。
それがきっかけで、永井荷風は桜むつ子に惚れ込んだようです。
その際、永井荷風自身も舞台に立って、桜むつ子にキスをしたという話も残っています。
その当時の写真がこちら
桜むつ子は永井荷風から詩をおくられていたよで、その詩に曲をつけて歌っていたといいます。
これは、荷風からいただいたお宝ですね!

桜むつ子のひとこと
桜むつ子さんは、長い女優人生で永井荷風と小津安二郎監督という巨匠ふたりに愛されてこられました。
1998年の「東京人」の取材で、
「永井荷風に愛され、小津監督に可愛がられたのはやっぱり色気のある女だったんだね。」
、という問いかけに、
「あたしは、父が幇間(桜川歌六)だったので、小さい時から花柳界に連れて行かれて、芸者さんたちに踊りを教わっていたの昔の芸者さんはキレイでほんのり色気がありましたからねえ。その影響ではないかしら。」
と答えています。